NHK連続ドラマ『エール』では佐藤久志(山崎郁三郎)と藤丸(井上希美)
藤丸「(久志に腕を絡め、指輪を見せ)婚約しました。(一同祝福)ありがとうございます」
久志
「僕という存在が、誰か1人だけのものになる日が来るとは」
藤丸
「何を人ごとみたいに。そっちが求婚してきたんでしょ?」
久志
「君が早く言えって顔をするから」
藤丸は裕一が作曲した「船頭可愛いや」を歌った芸者・歌手。戦後、自暴自棄の生活を送る久志を支えたのが藤丸だった。
裕一が作曲した全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」を歌い、復活した久志にキザなプリンス節も戻った。
ああ、良かったね。久志君も藤丸さんも幸せそうで良かった。って声も聞こえてきますが。
ちょっと待って、なんでドラマでは久志と藤丸が婚約するの?
これは流石にやり過ぎでしょう。
■藤丸と音丸の史実のモデルは明確にわかる。
藤丸の「船頭可愛いや」は1935年(昭和10年)歌手:音丸 作曲:古関裕而のは当時の誰も歌い誰もが知っていた昭和のヒット曲。
藤丸=音丸
昭和の歌謡界の音丸と明確に想像できます。
昭和初期のスター、1969年(昭和44年)より1970年(昭和45年)テレビ東京「懐かしの歌声」で「船頭可愛いや」「博多夜曲」「戦線夜曲」「銃執りて」を歌っています。
佐藤久志の「栄冠は君に輝く」は歌手:伊藤久男 作曲:古関裕而は1948年(昭和23年)「夏の高等学校選手権大会の歌」としてはラジオでも放送され誰でも知った昭和のヒット曲。
佐藤久志=伊藤久男
この方はさらに明確に昭和の大スター伊藤久男だと直ぐわかります。
彼も同じ番組で「イヨマンテの夜」「あざみの歌」「山のけむり」「ひめゆりの塔」等を歌っていました。
伊藤久男に関してはNHK紅白歌合戦に11回も出場した昭和歌謡界の大スターです。大勢の熱烈なファンがいまだにおられます。
しかも1978年昭和53年に紫綬褒章受賞章、1982年(昭和57年)には第24回レコード大賞特別賞受賞。受賞式の模様がテレビで放送されています。
伊藤久男も音丸も昭和の有名なスター、歌手なのです。
日本の音楽界の歴史の中に残る有名なお二人なのです。
しかし、古関裕而夫婦がモデルのNHK連続ドラマ『エール』では、婚約もしたこともない二人をあえて名前を変えてドラマで婚約させてしまう。こんな権利がNHKにはあるのでしょうか。
戦後、お二人がつきまあって婚約したと言う事実は全くありません。
NHKは佐藤久志と藤丸としたから、フィクションですよ、ただの朝ドラですよと言っても許されるものではないでしょう。
伊藤久男さんにも音丸さんにも多くのファンがおり、家族や親族の方が大勢おられNHK連続ドラマ『エール』を楽しみに観ておられます。
えっ、これってなんなの。朝ドラって事実を勝手に書き換えて楽しければいい、面白ければいいと言う番組なのと思った人は多いはずです。
若い方は生まれていなかった方が多いですから、SNSで藤丸さん良かったね。とか久志おめでとうとか語り合っていますが、年配の方は、音丸や伊藤久男のファンは朝ドラを観て藤丸って音丸じゃないの?佐藤久志って伊藤久男じゃないの?「船頭可愛いや」って誰が歌ったの?「栄冠は君に輝く」は誰が歌ったの?と頭の中は混乱してしまいます。
なぜ、昭和の歌謡界のスターを名前を変えて敢えて史実とは違ったドラマを作るのかNHKは制作の意図を教えて欲しい。
これでは音丸さんと伊藤久男さんの名誉を傷つけていると言われてもいたしかたないし、言い方は悪いですが、「NHKは歴史詐欺をしている」こう言われてもしかたがないように思えます。