NHKの連続テレビ小説「わろてんか」は第20週「ボンのご乱心」を放送。
風太(濱田岳さん)は北村笑店の未来のため、キース(大野拓朗さん)とアサリ(前野朋哉さん)のコンビ解散を決める。
アサリを大阪、キースを東京に置き、それぞれ新しい相方と組ませることで、東西から漫才を盛り上げたいという風太の考えにてん(葵さん)は……。
<明日のわろてんか>2月13日 第111回 風太の決断にてんは? 全ては北村笑店と漫才の未来のため…
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180211-00000021-mantan-ent
朝ドラマは風太( 濱田岳 )の考えでコンビが解散を決定されました。
今日はアサリ・キースのモデルと言われるエンタツ・アチャコはどうだったのか?みてみます。
史実モデルのエンタツ・アチャコもコンビ解消を言い渡されていました。
■ エンタツ・アチャコのコンビ解消の真実。
生活の実感を漫才にしたエンタツ・アチャコは東京でも受け入れられ、「早慶戦」の二人の漫才がラジオで放送されるや二人は全国的なスターとなってゆきました。
エンタツ・アチャコが人気絶頂期に吉本せいと林正之助はで二人のコンビを解散させたのです。
アチャコが中耳炎で入院した時のことでした。
アチャコが退院したとき、エンタツはすでにエノスケという新しい相方とコンビを組んでいた。
エンタツ・アチャコがコンビで舞台に立っていたのは、結局4年にも満たなかったことになる。
なぜなんだろうか?
全く解せない話しです。
真相は二人のギャラにありました。
林正之助は次のように語っています。
「エンタツは小利口です。アチャコと組んで漫才をやっているより、エノスケを連れてやるほうがトクやと考えたんです。アチャコとなら、です。ひとつのもん半分やらんならんが、エノスケなら自分が七分取って三分でおさまる。それで私に話をしてくれというてきたんです。しゃあないから、アチャコにいうたら、びっくりしてふるえよりました。せっかく、ええ漫才ができて、人気が出てきてるんですからな。アチャコがかわいそうでした」
ところが吉本興業の演出家だった竹本浩三は
全く違うことを語っています。
「林正之助は、アチャコが入院した時、エンタツにコンビのギャラの配分が五分五分であることを吹きこんだ。
プライドの高いエンタツはネタを作っているのは自分なのに、その配分はおかしいと怒り始める。林正之助の思惑どおりだった。」
これによれば林正之助は随分、悪者である。
真実はどちらだろうか?
今はもう誰も生きていませんからわかりません。
林正之助はアチャコにかつての相方である千歳家今男に会って、再びアチャコとコンビを組むよう説得したと言われています。
エンタツはアチャコの後は、杉浦エノスケとコンビを組んだ。
杉浦エノスケはチャップリン、ロイドの影響を受け、ちょびヒゲと眼鏡で親しまれた人物です。
NHKの連続テレビ小説「わろてんか」に登場する芸人キースの人物づくりで参考とされた一人です。
あとからそのことを知らされたアチャコは泣いたという。
全くアチャコにとっては一方的な納得できない出来ごとでした。
花菱アチャコは
「無茶苦茶でござりまするがな」
とつぶやいた。
のちにこの台詞が一世を風靡します。
こうして新たに生まれたエンタツ・エノスケ、アチャコ・今男のコンビは、ともに人気を得たが、それでもエンタツ・アチャコの漫才を期待する声はやまない。
林正之助は、その点も計算済みだった。
映画出演のときのみコンビを復活させたのである。
ずっと吉本興業に振り回されっ放しだったエンタツ・アチャコの二人だが、戦後の運命は明暗が分かれてしまう。
エンタツが徐々に人気を失っていったのに対して、アチャコは映画やラジオでピンの出演が増え、全国的な大スターの道を歩み続ける。
功成り名遂げたように見えるアチャコだが、当然吉本興業に対しては複雑な感情を持っていたと言う。