今、僕らは大切なものを失おうとしています。

これを知らないまま見過ごしていいのですか。




★食の安全

室井佑月「黒いですね」 豊洲市場移転問題で〈週刊朝日〉


主要となっている建物の下には、土壌汚染対策の盛り土が行われていなかった。青果棟の地下の一部ではコンクリートもなく、砕石層がむき出しになっていた。

結局、莫大な血税をかけて、何をしたかったのか?

まずはじめ、開場してから80年になる築地市場の老朽化が、危ないって話だった。

建物の老朽化が問題だったら、補強作業をすればいい。移転より、建物補強のほうが金もかからない。

だが、それだけが問題じゃないって話になった。今の築地は、衛生面で食の安全性を確保できない、って。

じゃ、なぜ移転先に汚染されている土地を選ぶ?

あの土地が便利だったって話だけど、食べ物を扱う市場なのに、汚染されている土地ってどうよ? いちばん大切なその部分をないがしろにするって変じゃね? みなさん、理解できます? あたしにはさっぱりわからない。

昔も今もかわらない、一部のものの利益のために食の安全が無視されようとしている。

果たしてこれでいいのだろうか?

都民の食の安全を一番に考えるのが都庁のはずなのに、築地の移転で食の安全が不安になる?

これでは本末転倒である。

★食品公害

花森安治の高度成長期には「あの時代は公害問題が出てきて、人々の生活が脅かされていた。

『暮しの手帖』では、食品色素の危険性も指摘しました。

当時は、食品にいろんな色素が入っており、それが体に害がある恐れがあるにもかわらず、国は黙認していました。

編集部でアイスキャンディーを何百本も検査した結果、4本に1本の割合で大腸菌が検出されたこともありました。

食品公害という言葉を作ったのは『暮しの手帖』なのです。

この時代も築地の移転問題と同じようなことが起きていました。

国民の健康を一番に考えるのが国でなければいけないのに?国は食品公害を無視したのです。

★なぜこんなことになるのでしょう。

それは国家の繁栄の名目のもと国も地方自治体も企業も国民の暮らしを一番には考えていないからです。

花森安治は次のように述べています。

「 もうけてなにがわるい、という、そのとおりだ。

他人の不幸を踏み台にして肥ったりせず、

人間の弱点につけこんで売り上げをのばしたりもせず、

ぼくらの暮しに役立つ いい品だけを作ったり、

売ったりしているかぎり、もうけてわるいはずがない。

そんなふうに考えて、仕事をしている会社や人間だったら、

大いにもうかるのが、ほんとうなのだ

しかし、いま、そんな会社や人間が、
どれだけあるというのか。

ひとの暮しに役に立たなくても、

人の暮しをダメにすることがわかっていても、

売れさえしたら それでいい、

売れるためなら、どんなことでもする、

そんな会社や人間ばかりだ。

そんな会社や、そんな会社の後押しをした政府が、

いま、日本の繁栄をつくりあげてやったのは、

じぶんたちだ、と胸を張っているのだ。

そうなのか、ほんとうにそうなのか。

それなら、見るがいい。

そんな企業を後押しにしてきた政府よ、

見るがいい。

誇らしげに、君たちが作り上げたという、

その世の中を 目をそむけないで、
はっきりと見るがいい

繁栄とは、なにか。

ゆたかな暮しとは、なにか。」
 
花森安治の言う通り、庶民が集まって、国があるのです。

国があって庶民があるのではないのです。

国民の暮らしを一番に考えるのが国の仕事であって、企業や政治家のことを一番に考えるのは国の仕事ではない。

最近はお年よりを騙すオレオレ詐欺が横行している。

何も知らないお年よりから言葉たくみにお金を騙すのです。

言葉は悪いが、国や都地方自治体や企業の現在やっている行為は、オレオレ詐欺とたいして違いがないのではないか。

国や地方自治体や企業が何も知らない国民を言葉たくみに騙しているのはではないかと思わざるを得ない。

現在の国民の暮らしは、だんだんと厳しさを増し、日々の生活にも困る人がたくさんいる中、国や地方自治体の名前のもとに何千億円のお金が使われようとしている。

国や地方自治体は少しは国民の暮らしを優先させ、お金の節約とか使い方を考えられたらいかがなのだろうか。