NHK連続ドラマ『エール』では主人公古山裕一と池田二郎がNHK連続ドラマ『君の名は』をコンビで作ることになります。

 古関裕而と菊田一夫がコンビで作ったNHK連続ドラマ『君の名は』は敵わない恋、禁じられた恋をドラマにした物語です。しかし、昭和のすれ違いメロドラマとして女性に受け入れられ大ヒットとなります。

■NHKラジオドラマ『君の名は』

 古関裕而と菊田一夫のNHKラジオドラマ『君の名は』1952年(昭和27年)410日から1954年(昭和29年)48日。毎週木曜8時半から9時までの30分放送されました。

 番組の冒頭で「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」という加藤幸子の1953年(昭和28年)1月からは鎌田彌恵 のナレーションが流れた。

 ラジオドラマは大人気となりラジオ放送がながされた時間に銭湯の女風呂は空になったと言われている。

 当時のラジオドラマは生放送だったため、劇中のBGMは音楽担当の古関裕而がハモンドオルガンで毎回即興で演奏していた。

映画『ひめゆりの塔』

 1953(昭和28)19日映画『ひめゆりの塔』が上映される。

沖縄戦で看護婦として前線に立ったひめゆり学徒隊の悲劇を描いた戦争映画。作品は大ヒットを記録し、倒産の危機にあった東映を救った。

 1982(昭和57年)に同脚本・同監督によりリメイク版が公開された。

 この映画の音楽制作も古関裕而だった。

映画『君の名は』

 NHKラジオ放送『君の名は』の大ヒットを受け映画が制作されます。

 1953(昭和28)9月に松竹より『君の名は』第一部が上映され12月に第二部が公開された。

 1954(昭和29)427日のゴールデンウィークに第三部が公開された。

 映画館は『君の名は』ブームに湧きかえり、入場客が次々と押しかけたのでした。

■1654年邦画興行収入

 興行収入を見てみます。

 邦画配給収入トップ8

 1位が松竹『君の名は/第三部』。元祖「すれ違い」ラブストーリー。もちろんタイトル、内容ともに、新海誠の同名アニメはここから。

1952年にラジオドラマから火が付いて、映画はパート3まで作った。

2位は松竹『忠臣蔵 花の巻・雪の巻』。松竹オールスター版。1703年の事件発生以降、忠義という日本人像を描いたこの史話が作られなかった時代はない。

3位は東宝『七人の侍』。黒澤明監督の代表作、東宝が『君の名は』に対抗して同時封切りしましたが、残念ながら3位に終わっています。

4位は東映『新諸国物語 紅孔雀』。

NHKラジオドラマ『笛吹童子』です。当時の子ども向け時代劇で、翌年までにかけて五部作が製作されました。

5位が松竹『二十四の瞳』。壺井栄の小説『二十四の瞳』が原作。小豆島の大石先生と子供たちの物語です。

6位の大映『月よりの使者』。

主題歌は、倍賞千恵子、森昌子など歴代アイドルが歌い継いできました。実はハイロウズの代表曲『日曜日よりの使者』の元ネタ。聴き比べるとびっくりします。

7位が東宝『宮本武蔵』。監督は稲垣浩。武蔵を演じたのは三船敏郎。アメリカでも上映され、2年後にアカデミー賞名誉賞(外国語映画賞)。

8位は東宝『ゴジラ』。世界でいちばん有名な、日本発のキャラクター。キネ旬ランキングは圏外。

1954年邦画興行収入1位は『君の名は/第ニ部』2位は『君の名は』です。

 映画『君の名は』だけで興行収入88千万円です。

 当時の映画入場料は130円、現在は1800円ですから貨幣価値は13.8倍。

 現在の興行収入だと約121億円の興行収入があったことになります。

 日本の映画観客動員数は1958年の約11億人がピーク。当時の人口は約9100万人なので、1年間でひとりにつき10本映画を観ていた計算になります。なんと映画全盛期の大ヒット映画が『君の名は』だったことになります。

『七人の侍』『ゴジラ』にも勝った『君の名は』

 1954(昭和29)日本のラジオと映画を席巻したのは古関裕而と菊田一夫のコンビが作った『君の名は』でした。

 映画全盛期に黒澤明『七人の侍』、怪獣『ゴジラ』にも勝った『君の名は』ラジオからは『君の名は』の音楽が流れ、ナレーションが聞こえてきます。街頭の映画館では『君の名は』の看板がかかり、多くの観客が列をなしています。街を歩けばヒロインの真知子の頭をした(真知子巻)女性が歩いてます。日本中、二人の作った『君の名は』で溢れかえっていました。

 65年たった今では当時の『君の名は』のブームを思い知ることは全く出来ません。菊田一夫も古関裕而もラジオに映画に大活躍で忙しい毎日を過ごしていたのだと思います。