NHK連続ドラマ『エール』主人公、古山裕一こと古関裕而さんの作品で「あなたが選んだ古関メロディーベスト30(日本コロムビア)の中で堂々の第1位に輝いたのは、昭和29年に発売された『高原列車は行く』でした。

 丘灯至夫作詞。古関裕而の曲の中でも特に有名な曲の一つです。丘灯至夫は福島県小野町出身です。

 丘灯至夫は、福島県の沼尻温泉や中ノ沢温泉の湯治客に人気のあった沼尻軽便鉄道をイメージして作詞したとのことですが、古関裕而の軽やかな曲は、むしろヨーロッパをイメージさせるような曲となりました。「古関裕而 うた物語」より

 丘灯至夫はもともと毎日新聞社の新聞記者でした。新聞記者は「押しと顔」、ということで、「おしとかお」を逆に読んでペンネームを丘灯至夫にしたということです。

丘灯至夫は子ども向け番組やアニメの主題歌も多く作詞しています。

 アニメファンの元男の子だと「ガッチャマンF

きょうも大空かけめぐる

きょうも地球をかけめぐる

オーガッチャマン

愛と正義に 燃える奴

つねにこの世を 守る奴

その名は ガッチャマン

科学忍者隊ガッチャマンファイター GO!

 元女の子だと「みつばちハッチ」

ゆけゆけハッチ 

みつばちハッチ 

とべとべハッチ 

みなしごハッチ 

 なんて、みんな良く歌ったし、口ずさみましたよね。ほんと、丘灯至夫先生は夢のある作品が多くあります。

 二人が作った「高原列車は行く」は

汽車の窓から ハンケチ振れば

牧場(まきば)の乙女が 花束なげる

明るい青空 白樺林(しらかばばやし)

山越え 谷越え はるばると

ララララ ララ ララララララ

高原列車は ラララララ 行くよ

 牧場の乙女が花束投げるなんて乙女チックじゃありませんか。なんだか素敵な世界です。

 この詩を見た古関裕而はハイジの世界を想像したようです。

 古関裕而先生も鉄道模型が大好きで、長男が子供の頃には、子供向けの32ミリゲージの汽車の模型を購入しましたが、自宅で走らせたときには、子供以上に本人が喜んで遊んだような無邪気な純真な性格です。

 みなさんがご存知のような、とても明るい楽しくてたまらないメロディをつけたのでした。

 1954(昭和29)日本の高度成長とともに日本の明るい未来を表しているようで大ヒットしました。

 そして全国どこでも歌われるようになりました。

 私の生まれた四国でも歌われていました。でも、四国には高原もなければ、列車が走るのは海と山の間です。列車の窓から見えるのは畑で草刈りしているおばちゃんばかりでした。

 こんなに歌詞が日本にそぐわない歌はありません。でも、みんな高原と乙女を夢めみながら歌っていたのでしょうか。