「生卵を飲む」と言うと、一番最初に思い出すのはやはり不朽の名作「ロッキー」の映画ではないでしょうか。ロッキーと言えば生卵、生卵と言えばロッキー。

 「生卵を飲んで精を出す」という概念、これは日本古来のもの、ロッキーが映画で飲んだので驚きました。

それ以上に驚いたのがアメリカ人。

ロッキーがコップで生卵を飲んだ。

アメリカ人はみんな「なんてクレイジー」なやつだ。

当時の全米を震撼させたのでした。

日本人が思う以上にロッキーの「覚悟」を感じられるシーンになっていたそうです。

シルベスター・スタローンも生卵を飲むならギャラを増やしてくれという話ををしてギャラを増やしました。

日本人的にはなんで?と思うかもしれませんが当時のアメリカでは当然の要求だし、当然ギャラは増えました。

シルベスター・スタローンは保険に入り、生卵を飲むシーンには必ず医者が立ち会うという体制だったみたいです。

なんて大袈裟なことでしょう。

このロッキーを超えたクレージーな人物がいます。

「マダムバタフライ」の三浦環女史です。

彼女も生卵を飲んで欧米人を驚かせています。

三浦環は「お蝶夫人」を演じる間になんと6つの生卵を飲んだんです。

三浦環 「お蝶夫人」より

1918(大正7)528日の夜でした。赤十字の慈善の会だったのです。

そしてオペラが済んでから記念の晩餐会がホテル・ニッカーボッカーで催されました。

ちょうど私の前の席がカルーゾー(有名なテナー歌手)でしたが、その時の御馳走にマカロニが出ました。

私の前に大きなとてつもなく大きなお皿が出ましたので、どんな御馳走が出るのかと思ったらマカロニだったのです。それが大きなお皿に山盛り配られたので、私はとても食べきれず、どうしようかと困ってフト前を見ると、カルーゾーはフォークを片手に、器用にくるくるとマカロニを巻きつけて、盛んにぱくぱく食べています。

そして見る間に山盛りのマカロニを平らげた上、お代りをしているのです。

私はそれを見て、これは食べ残しては恥かしい。

それにマカロニは声によくて、マカロニを食べていれば美しい声が出るといわれるので我慢して無理矢理にみんな食べてしまいましたが、苦しいのなんのって、今でもあの時のマカロニの苦しさを覚えています。

その時のことでした。

カルーゾーが私に「マダム三浦、私の声はマカロニから出ますが、あなたの美しい声は何を召上って出すのですか」

「マエストロ・カルーゾー、私の声は卵から出ます」

「卵ですって?卵をどう料理して召上るのですか」

「卵を生のまま飲みます。私が『お蝶夫人』をうたいます時は、第一幕に出る前に、舞台裏で卵を2つのみます。次の幕の時も2つのみます。最後の幕の時も2つのみます。ですから『お蝶夫人』は6つの卵でうたうのです」

「卵を生のまま飲むんですって!しかも六ツも飲むんですって!よくマダム三浦のお腹の中で、ひよこが鳴きませんね」 

生卵をのむのは世界で日本人だけ、だから生卵をのむのを不思議がったうえ、6つものんでは多すぎると、ユウモラスで定評のあるカルーゾーにひやかされて、私はうんざりしてしまいました。それ以来私は卵を3つ減らしました。一幕に1つずつにしたのです。』

完全栄養食品といわれる卵。栄養素をそのまま取り込みたいなら、生卵で食べるのが一番よさそうですよね。

熱に弱いビタミンB群やたんぱく質もそのまま摂取できます。

しかし、生卵6つを飲むとは三浦環のエネルギーは凄かった。

年間で100以上のステージに上がらなければならない彼女にとっては栄養補給の最大の方法が生卵を飲むことだったようです。

しかし、生卵を6つ飲んでいたとは三浦環女史クレージー過ぎます。