NHK連続ドラマ『エール』主人公・古山裕一(窪田さん)の幼なじみ・村野鉄男役で出演している中村蒼さん。

「東京恋物語」では、鉄男のはかなく切ない恋が描かれました。

鉄男は東京にいると聞き、捜してきた元恋人の希穂子(入山法子さん)と、音(二階堂ふみさん)が働くカフェーで再会するも、冷たい態度をとられてしまう……

福島の料亭で出会い、かつて一緒に暮らしていた希穂子を、今も思い続けるいちずな鉄男を演じた中村さんは、「鉄男と希穂子が福島で暮らしていた頃の回想シーンはすごく幸せそうですよね。その後、2人が別れてしまったことを知りながら演じていたので、その分余計に切なくなりました」と振り返っています。

ほんとに鉄男と希穂子の恋。成就してくれたらなと心から思いました。

別れ際の希穂子の背中がやけに可哀想でした。

村野鉄男モデルは作詞家野村俊夫。

実際、彼女はどうなったのでしょうか。

ここに興味深い話があります。


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郡山市の詩人内海久二さん、野村や古関裕而との交流も深い人からの話です。

内海久ニさん

《昭和四十一年私は原稿料が入ったので、西日本に旅に出ました。熱海温泉に泊まろうとしたところ、当時は観光とか新婚旅行のメッカとなっていまして、どこも満員だったのです。そこで困ってしまいましたが、タクシーの運転手さんが、「網代温泉ならあるかもしれません。」というので、網代に行きましたが、どこも満員で、仕方なく運転手さんはある小料理屋を探してくれました。 そこには五十五歳くらいの女将さんがいまして、「お客さん、福島の方ですか?」というのです。方言で分かるのですね。私は「郡山です」といいましたら、「つかぬ事をお聞きしますが、野村俊夫さんを知っていますか」というのです。私は「知っていますよ」というと、その方はスーと裏の方に行ってしまったのです。そこで私は思いだしたのです。昔、三浦通庸さんは写真が好きで、「野村のやつが民友新聞を辞めて、東京に行く時、馴染みの芸者と一緒に撮った写真がある」といっていまして、その写真はもうセピア色になって、駅前の佐藤時計屋さんの家にありました。その写真の芸者の顔とその女将さんの顔がだぶって見えました。不思議な縁ですね》

芸者、希穂子さんは網代温泉の小料理屋の女将になっていたんです。

まあ、でも彼女もいろいろんなことがあったのかも知れませんが網代の小料理屋の女将をされていたとは、でも元気で生きてこられて良かったなと思いました。

内海久ニさん

《その時は野村さんが存命中だったので、帰りに先生の住まいの池上に寄り、この話をして冷やかそうと思いました。その後私は旅を続け、城崎温泉まで行き、宿泊後の翌日の新聞を見たところ、先生の訃報記事が載っていました。》

野村俊夫1966(昭和41)1027日にお亡くなりになっています。