テレビからアンパンマンの歌が聞こえていた。


それいけ!アンパンは1988年( 昭和63 )テレビアニメとして初めて放送されました。


それから30年。


ずっと放送されていることになります。


いつまでも子どもたちが大好きなマンガです。




それにしてもアンパンマンの歌はいつ聴いても心に残ります。


何の為に生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ!


何が君の幸せ 何をして喜ぶ 解らないまま終わる そんなのは嫌だ!


時は早く過ぎる 光る星は消える


この「 何の為に生まれて 何をして生きるのか」って奥深い。


なんだか哲学的で凄い歌詞です。


ほんとに、これが子どもの歌?


これって子どもたちに聴かせるためだけの歌なんでしょうか。




実は、作詞のやなせたかしさん最初におとな向けの作品を描いていました。


彼は24歳で中国に出征し飢えに苦しみながらも、戦争の正義を信じて戦いました。


しかし日本は敗戦。


自分たちの信じた正義は一変します。


自分より、器量も能力も格段に優れていると思っていた弟が特攻隊に志願し、戦死したのです。


なぜ、自分だけ生き残ったのか。


何のために生きるのか。


残された重い問いに悩みます。


やなせさんが、その問いに答えようともがいていた結果、おとな向けの作品を書きます。


主人公は、やなせさん自身を投影した、ヤルセナカスという、売れない青年漫画家。


青年は、アンパンマンという漫画の企画を編集者に持ち込むものの、こんなみっともない主人公では受けませんよ、と却下され、さらに、エロも欲しいし、怪獣も出ないんじゃねえ、売れないのは悪です、とまで言われます。


それは、やなせさん自身の嘆きそのものでした。


そのアンパンマンとは、主人公が、おなかがすいて倒れそうになっている時に現れた、不格好なヒーロー。


アンパンでできた顔を、青年に差し出します。


「さあ、おれのほっぺたを すこしかじれよ えんりょするガブリといけ」


顔が欠けてしまったアンパンマンは、弱って、よたよたと飛び去ります。


自分を犠牲にしてまで、誰かを救おうとするヒーロー。


やなせさんの考える本当の正義が、初めて作品となって描かれました。


しかし、大人向けの暗い物語は、話題にもならなかった。


大人には、こんか純粋な作品を受けいれる気持ちなどなかったのです。


この作品を子ども向けに直して、世の中の子どもたちから大好評を受けます。




やなせたかし


「アンパンマンは、ある日アンパンを見ていて思いつきました。」


「ぼくはだいたい子供番組のスーパーマンものを見るのが大好きであったのですが、見ていて納得できないのは、スーパーマンと怪獣がやたらに大あばれする。辺一面をメチャメチャに踏み荒しても、被害者に謝りに行ったりしない。正義の味方というけれど、本当の正義とはいったい何だろう?」


「そして、我々が本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して死にそうな時、おなかがすいて倒れそうな時、あるいは旅先でお金がなくなった時、その他いろいろあるわけで、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしいのです。鉄橋もちあげたり、全くいそうにもないビニール製の怪獣をなぐりつけてもらっても、あんまり心から喜べない。」


「本当のスーパーマンは、ほんのささやかな親切を惜しまない人だと。そして、そういう話をいつか描きたいと考えたのです。」


長くなりましたが、この歌詞の意味を一番考えなくちゃいけないのは大人たちではないでしょうか。


「何の為に生き、何をして生きるのか」あなたはこの問いかけに直ぐ答えられますか。


ほとんどの人が答えられないのじゃないでしょうか。


人生は長いようで短いものです。


もう一度人生考え直して、生きる意味を考えてみましょう。